2021/05/23更新しました
こんにちは。イッポです。
今回は、暑~い夏場に役立つ水槽用の冷却装置についての解説をしていきたいと思います。
価格や初期の投資費用や、電気代、静音性などいろいろな条件があると思います。そのあたりを分かりやすく紹介できるといいなぁ。
熱帯魚って水温何度が良いの?
これはズバリ「25度」前後です。
熱帯魚は水温おおよそ22度~28度の間ですね。水槽用の冷却装置は間を取って25度を目安にしているようです。
イッポの自宅も水槽を置いてある夏場は2Fだと超熱いです。水温もあっという間に上がっていきます。これを防ぐために冷却装置は欠かせません。
水温が30度を超えると、弱い生体から★になっていきます。(最初はエビなどのシュリンプ系)
水温上昇のリスク
イッポも暑いのは大嫌いです。できるだけ涼しい所でゲームしてます。www
おい、ゲームの話じゃなくて、アクアリウムの話しろ!
ああっ、そうでした。すみませんです。
暑くなるとこんな感じの悪影響が出てきます。
水中の酸素が少なくなり、生体バクテリアが酸欠になる
人間も空気中の酸素が薄くなったら、結構しんどいですよね。魚も同じで水中の酸素濃度(溶解酸素量)が少なくなると同じように苦しくなります。
こんな感じです。酸欠恐るべし。
水温が上がるにつれて、熱帯魚も活発に動くため、水中の酸素の消費量がどんどん上がっていき、二酸化炭素が水中内に増えていきます。
また酸素が大好きな「好気性バクテリア」にも悪影響がでてきます。好気性バクテリアは、酸素を取り入れながら水中でろ過をしているのですが、酸素がなくなると好気性バクテリアは少なくなってしまいます。で、次に出て来るバクテリアが酸素が無くても活動できる「嫌気性バクテリア」。この嫌気性バクテリアが増えて来ると水槽の水が臭くなります。
あの、生臭い水か?
そうですよ。夏場の臭い水ほど嫌なものはないですね。
水中の酸素が少なくなって、酸欠が進むとこうなります。
- 熱帯魚やエビが酸欠になり、最悪★(死)となる。
- 水草も光合成がうまくできなく枯れていく
- 好気性バクテリアが死滅し、ろ過が働かなくなる
- 嫌気性バクテリアが増えて、悪臭が発生する
皆さん、気を付けましょう。
急激な温度変化も注意
熱帯魚は基本的にデリケートで温度変化に弱い種類も多いです。水温変化があまりにも急激な場合は体調を崩し、病気になってしまう事があります。
この水温変化が原因で出て来る病気が「白点病」です。白点病とは魚の体に白い点が付いて次第に体力が衰え、死に至る病気です。白点病は水槽内で伝染するので、早期発見・早期治療が基本となります。
人間の病気と一緒だな。
そうなんですよ。命あるもの皆同じですので。
白点病は、急激に水温が上がる時よりも、急激に水温が下がる時に発生しやすいです。
水槽の水温を下げる方法
水温を下げるには効果的な方法が3つほどあります。
- 水槽用クーラーの導入
- 水槽用冷却ファンの導入
- エアコン(冷房)で部屋ごと冷やす
できれば、3つのうち1つだけで冷却を行うのではなく、3つの方法を組合わせながら行うのが、一番効率的です。
初心者さんに一番オススメなのが、水槽用冷却ファンの導入ですね。お値段もお値打ちで、使いやすいからです。水槽用のクーラーは高い(2万円~)。
高水温に弱い生体(エビ系)を飼育する場合は、水槽用のクーラーを導入した方が良いと思います。エビたちは高水温になると一気に★になってしまうので・・・。
水槽用クーラー
初期費用 | 2万円以上 |
電気代 | 高い |
冷却能力 | 高い |
静音性 | 静か |
水温を冷やすのに一番ベストなのが、水槽用クーラーです。クーラーには「ペルチェ式」と「チラー式」の2種類の方法があります。後で説明します。
一番効率的に水温を下げてくれますし、逆サーモスタットも付いているので細かな設定ができるようになっているものが多いです。水温維持能力が高い分、初期投資費用がメチャ高く、置き場所も必要となります。(密閉空間では冷却能力が弱くなるので、水槽台の扉の中はNGです)
ペルチェ式とチラー式の比較表
ペルチェ式 | チラー式 | |
本体価格 | 1万円~ | 3万円~ |
電気代 | 高い | 省エネ |
水槽サイズ | 45cm以下の小型水槽 | 幅広く対応 |
冷却効果 | イマイチ | 効果・大 |
排熱量 | 少ない | 多い |
稼働音 | 比較的小さい | 大きい |
★水槽用クーラーを導入する時のメリット
- 冷却能力が良い
- 水温維持能力が高い
- 細かな温度調節が可能な商品もある
- 水の蒸発が少ない
★水槽用クーラーを導入する時のデメリット
- 初期投資が非常に高い
- 置き場所が必要(1風通りの良い場所)
- 水を循環させるのに別途外部式フィルターや水中ポンプが必要になる
- 電気代がかかる
- 音がうるさい
- 本体の排熱で室内の温度が上がる
- 設置やパイプ類の収納が面倒
- メンテナンスが必ず必要
デメリットの方が、多いな
ですよね。まぁ、しょーがないですよ。
場所の確保や、初期投資費用が出せないときは、水質・水温の変化に弱い熱帯魚・エビを飼育しない事が一番大切です。責任を持って命を大切にしてあげる事が大切。
水槽用クーラー導入がオススメな場合は?
海水水槽
海水水槽を冷やすときは、冷却ファンなどを使うと水が蒸発して減ってしまいます。この時に水槽内の塩分濃度が変わり、サンゴや生体に悪影響がでちゃいます。なので、海水水槽には水槽用クーラーオススメです。
エビ(シュリンプ系)水槽
ビーシュリンプやレッドビーシュリンプなどの水質・水温の変化に敏感な生態を飼育しているときは水槽用クーラーは導入した方が安心です。繊細な熱帯魚にも同じことが言えます。
水槽用クーラーってどんなものがるの?
有名なメーカー各社から発売されています。
※対応水槽サイズがあるので、必ず購入前に確認を忘れないでね。
【テトラ クールタワー】ペルチェ式の小型水槽用クーラーです。
【GEX クールウェイ】チラー式の水槽用クーラーです。定番品です。
やっぱ、高いなぁ。もっと安くて水温を下げる方法はないのか?イッポ。
安心して下さい。ハイテマスヨ。
じゃなかった。ありますよ。(#^.^#)
こちらです。
水槽用冷却ファン・逆サーモスタット
水槽に取り付ける小型扇風機です。風をファンで送ると水が蒸発し、蒸発時に発生する気化熱を利用する水温低下方式です。
価格もクーラーに比べるとメチャクチャ安くなります。そこそこ水温も下げてくれるので一番人気のお手軽方法かと思います。
冷却ファンを使う時は、逆サーモスタットが必要です。内蔵している商品もあります。逆サーモスタットとは、設定温度近くになるまでファンが回り、いい感じのところで止まります。自動でON/OFFしてくれる優れもの。冷却ファンには必須アイテムです。逆サーモスタットを付けてないと冷却ファンが永遠に回り続けます。
温度固定タイプとある程度自由に決められるタイプがありますので、お好みと飼育している生体で選んでみてはいかがでしょうか。
音はします。www。ブーンという結構な稼働音ですね。
気化熱を利用して水温を低下させるので、水の減りが早いです。空気に湿度がない時などは、かなり減りますよ。注意して下さいね。(特に海水水槽を維持管理している人)
冷却ファン&逆サーモスタットはどのようなものがあるの?
オススメな商品をさらっとご紹介しておきますね。
【GEX アクアクールファン コンパクト】設置も簡単で小さめの冷却ファンです。
【テトラ クールファン】冷却ファンの定番品です。クリップで設置する簡単使用。
【エヴァリス EVサーモ】温度固定(26度)の安心設計。取り付けも簡単です。
裏技の水槽冷却方法
ここでは、水槽専用ではないですが、冷却効果が期待できる方法をご紹介します。
室内用クーラー
まさしく、エアコンです。ない部屋に設置となると、ものすごく費用はかかりますが、わりとエアコンがあることが多いですよね。
例えば、室内で使う水槽専用のクーラーは室内で排熱をする為、部屋の温度が上昇します。その点エアコンは排熱は外なので室内全体を涼しくしてくれます。このエアコンをうまく利用すれば結構期待できます。
エアコンの設定温度を30℃以下で設定しておけば、日中の暑い時間帯でも安心です。最近の家電は省エネタイプが多く、電気代が控えめで、音も静かですね。確実に水槽用クーラーと冷却ファンより静か。
氷や保冷剤を水槽のフタorフィルターに置いて冷やす
ペットボトルや保冷剤をキンキンに冷やして水温を下げる方法です。水温はそれほど下がりませんが、急激な変化は起こしません。ただ長時間は無理なので、他の方法との併用であれば期待できます。
イッポ的に小型水槽であれば、冷却ファンとの併用であればかなり期待できますよ。
冷たい水で水替え
これは超ウルトラCですよ。アクアリウム初心者さんが思いつきそうな方法でもあります。
ウルトラCなんて言葉
今どき使わねーよ。www
(;一_一)
この方法は生体にかなりダメージとストレスを与えてしまいます。さらに病気になる危険性もあるのでこの方法はやらない方が良いです。やるとしても、少量にしておきましょう。
氷を水槽に直接ドボン
これもやめた方がいいです。リスクがありすぎます。
冷たい水で水替えと同じような心配が増えるだけですので。
水温・室温を上昇させない工夫
工夫をすると、少しではありますが効果が出ますよ。
水槽のフタを取る
水槽の上にフタがあると水面とフタの間に熱がこもってしまいます。この熱を少しでも逃がしてやるための工夫です。熱帯魚やエビの飛び出しが心配な方は、応急処置でネット(網)でカバー。(カッコ悪いけど)
水槽の周りを保温性の高いもので囲う
手短な素材は、発砲スチロールです。これを使い囲っておくと水温の上昇が緩やかになります。(室温が水温より高い場合のみ)
水槽を日光が当たらない場所に移動
直接太陽光が水槽にあたっていると、「コケの大量発生」「水温がグングン上昇」となっちゃいます。でもまぁ移動できるのは小型水槽のみですが・・・。m(__)m
照明を水槽から離す
照明はどの機種【蛍光灯、LED、メタハラ)でも点灯時に熱が発生します。照明と水面の距離が近ければより一層水温を温めてしまいます。
できるだけ距離を置いて設置すると効果が少しですがでます。照明を持ち上げるリフトアップパーツも色々あるので、試してみてもいいかもしれません。もしくは材料を100均などで調達し工夫してみるのもいいかも
照明の点灯時間を短くしてみる
通常は8時間が理想ですが、夏場などは日中の光が強いので点灯時間を少なくしても大丈夫。水草も育ちますよ。だいたい6時間ぐらいでいいんじゃないかな。これも少しだけ水温上昇予防効果があります。
フィルターを変えてみる
水中モーターを使用している場合、モーターの熱が水温に少なからず影響を与えます。もし可能であれば、夏場のみ上部フィルターや外部フィルター、水中モーターを使わないフィルター導入を考えてみるのも一つの手ではあります。
水槽部屋の換気や風通りを良くする
締め切った空間だと、間違いなく夏場は高温になっちゃいます。エアコンを使っていれば問題はないですが、ないときはヤバババーイですよ。
扉や窓を開けて、扇風機or送風機などで部屋の空気を入れ替えましょう。ヽ(^o^)丿
窓辺を工夫する
カーテンやすだれ等で、直射日光を部屋に入りにくくするだけでも、効果が出ます。夏場は日向よりも影が涼しいものです。
水量を増やす
小型水槽は水量が少ないので部屋の空気温度に影響を受けやすいです。可能であれば水槽のサイズアップを検討してみてもいいかも。水量が多くなればなるほど水温変化は緩やかなので。(でも上がるけどねwww。イッポの90cm水槽の水温も夏場はヤバババーイですよ。
エアレーションでブクブクする
夏場は水中で酸欠を起こしやすくなります。酸欠を予防するために、エアーレーションしてに酸素を送り込みましょう。ブクブクの泡が気化熱を促して水温低下の効果も少しあります。
こんな感じですね。
まったねー。
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